君の本当をこの瞳で見つめて。
その感情のせいでうずうずして、一番聞きたい事が喉の奥から這い上がってくる。
ダメ、これを聞いてこの空気が壊れたらどうするの。
運ばれてきた料理を前に、きゅっとお絞りを握りしめ感情を押し殺す。
いただきますと二人声を合わせて言うと、壁際の女子高生達が私達を見て、くすくすと笑う。
「今の見た?」
「すごい息ぴったりだったね」
「いいな〜ああいうカップル。憧れる」
「あたしもあんな大人っぽい彼氏ほしー」
その言葉が聞こえて来た途端、体の熱が急に上がる。
えっ!カ、カップルに見えてるの?!私達?!
飲み込んだのと同時に裕治くんを見るけど、裕治くんは女子高生達の声は聞こえてないみたいだ。
ちょっとほっとしつつも、動揺してる心を落ち着かせる。
女子高生達のただの妄想よ、妄想。
そんなことで動揺してどうするのよ、私。
でも、言われた言葉がずっと耳に残って消えてはくれない。
美味しいと感じていた料理がどんどん無味になっていくほど、感覚がおかしくなる。