君の本当をこの瞳で見つめて。


ああ……このまま本当に裕治くんが、私の彼氏になってくれればいいのに。

そしたらきっと毎日が楽しくて、いつも笑っていられて……幸せなんだろうなあ。

そんな夢みたいな話、起こっちゃえばいいのに。

私のこの感情は――


「……わ、かわ、堀川!」


名前を呼ばれていることに気づき、はっと我に帰る。

心配そうな表情で、私の顔を覗き込む堀川くんとのあまりの近さに体が固まる。

そっと私の前髪を上げて、額に手を添える。

何が起こっているのか分からず、きょとんとしていると裕治くんは一つ頷いた。


「熱はないみたいだな」

「あ、っと……」

「こっちに帰ってきてるってことは、何かあったんだろ?」


額から手を離して、心配そうな瞳で私の表情を伺う裕治くんにまた胸がざわめく。

どうして、分かってしまうの?

中学生の頃だって、私が泣くのを我慢しているのをあなただけは分かっていた。

そこまで私の心を分かってしまうのなら、どうかこの胸の痛みを分かってよ。






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