君の本当をこの瞳で見つめて。


「ゆ、裕治くんっ……!あの、さ……」


思い切って名前を呼んではみても、その後の言葉は続かない。

なんて聞けばいいんだろう。

好きな人いる?なんてベタなことを唐突に聞かれても、今度こそ席を離れて店を出て行ってしまいそう。

言葉を探していると、優しい表情で裕治くんが口を開いた。


「なあ、堀川。明日の夜、空いてる?」

「え……?」

「どれぐらい集まってくれるかは分からないけど、プチ同窓会開こう。嫌なこと忘れて、昔に戻ろう?」


そんな裕治くんの提案にポカンとしていると、ぎょっとした表情で、裕治くんが慌ててポケットからハンカチを取り出した。

そのハンカチでそっと頬を撫でられる。


「ば、馬鹿!そんないっぱい抱え込んでたのか?!泣くぐらい辛いことあったんだな……」


私……泣いてるの?

そっと自分の頬を触ると、しっとりと濡れた感覚に驚く。

そんな私よりも、裕治くんの方が突然のことに驚いていた。

慌てて涙を吹いて、笑って見せる。



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