君の本当をこの瞳で見つめて。
コーヒーだと思っていたが、今日は可愛らしく猫がラテアートで描かれたエスプレッソだった。
その可愛さに思わずスマホを取り出して、パシャリと一枚写真を撮った。
「か、可愛い〜!!」
「気に入っていただけましたか」
「はい!!もちろん!壱目さんこんなことまで出来ちゃうんですね!びっくりしましたよ!」
じーっとカップを見つめ、180度カップを回し、猫と目が合いニヤッとしてしまう。
こんな可愛らしいもの初めてで、興奮がなかなか収まらない。
そんな私にもう一つサプライズをするように、今日のメニューのもう一品を出してきた。
「本日は季節のフルーツたっぷりのタルトです。どうぞお召し上がりください」
「わあ……!!」
真っ白なお皿に乗っかる色とりどりのフルーツが、鮮やかに輝いていた。
昨日とは違い大人の雰囲気から離れ、今日は女子気分を味わえそうだ。
エスプレッソと並べてタルトも写真を一枚撮り、撮れた写真を見て満足してから両手を合わす。
「いただきます!」
そう言うと、壱目さんがふふっと小さく笑った。