君の本当をこの瞳で見つめて。

壱目さんを見れば、胸に手を当てて首を横に傾けていた。

何となく執事みたいだなあと思いながらも、壱目さんを見つめた。


「私の店では基本お代わり自由です。飲んでもまたお作りしますよ。今度は何の絵に致しますか？」

「え！他のも書けちゃうんですか？！」

「もちろん。これくらいであれば……の話ですけど」


少し苦い笑みを向けたけど、私は首を横に振って目を輝かせた。


「じゃあ〜四つ葉のクローバーで！！」

「かしこまりました。なので、そちらのもきちんとお召し上がりくださいね？」


促されて猫の描かれたエスプレッソを見る。

ごくりと唾を飲み、いざ口にする。

クリーミーな味わいの中に豊かな香ばしさ。

チョコレートのようなそんな優しい香りが口いっぱいに広がる。

滑らかな舌触りで一口飲んだ後には、ほっと息をつく。

ここまで食べ物で心が癒されるのも初めてな気がする。

ほっこりするような、優しい気持ちに包まれるそんな気分。