君の本当をこの瞳で見つめて。


温もりがあまりにも優しすぎて、目頭が熱くなってくる。

じわりと溢れる涙に、壱目さんは慌てて頬から手を離した。


「す、すみません!私、その、勢いのまま……ああ、なんて事を」


オロオロとする壱目さんは、自分のワイシャツの袖で私の涙を拭う。

その動作で耳にかけていた前髪が、パサリとまた顔を隠した。

手を伸ばして、もう一度前髪を耳にかけると壱目さんの瞳をそっと見つめる。

私の想いをどうか、示させて。

心じゃなくて、ちゃんと言葉で。


「壱目さん、私あなたのことが好き。例え、少し違う血が流れていようが、私はあなたが好き」


そう伝え切ると力強く抱きしめられた。

壱目さんの匂いが私を包み込むようにそっと香る。




「私はあなたの本当を全て受け止めます。どうか、貴方は貴女のままで、私の傍にいてくれませんか」




力が込められた腕の中で、私は強く頷いた。


「もちろんだよ、壱目さん」


そう答えると壱目さんの顔が近づいてきて――優しく口づけた。




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