君の本当をこの瞳で見つめて。


「ねえ、壱目さん」


まっすぐに壱目さんを見て照れながらも、口にする。


「あのさ……雪帆って呼んでほしいんだけど……」


貴女じゃなくて、ちゃんと私を見ている証拠として名前を呼んで欲しい。

私を一人の女として見て欲しい。

一瞬キョトンとした表情を見せた壱目さんだけど、笑顔を向けた。


「分かりました、雪帆」

「それと、あの、敬語もやめにしない?私もうお客さんじゃなくて、壱目さんの……」


彼女なんだからって続けようとするけれど、またしても口を塞がれた。

目に映る壱目さんの顔がいつにも増して真っ赤に染まっていた。


「一つずつにしてくださいよ。名前呼ぶのにどれだけ緊張してるか分かってないでしょう」


そっぽを向いてそう言う壱目さんがあまりにも愛らしくて、我慢せずに私から抱きついた。




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