短編的なものたち
今わたくしは、絶賛混乱中。


だって!だって!


王子様が!王子が!あの、理系の王子様が!


私の、横で!横に!居る!







なにがあったかと説明すると、
放課後、私は先生にきっちりがっつり絞られたあと、図書室へ向かった。


借りていた本を返し、気になっていた本を手に、割といつも座るお気に入りの席へと向かい、意気揚々とページを開いた。

と、横に影が見えたので、チラッと見ると、その影はなんと理系の王子様……!!

きっと私の目玉は取れかかった。

本当は速攻で席を立ちたいところだったけど、

隣に座れるチャンスなんて滅多にないし、こんなに至近距離で王子様のお顔を拝めるなんて…と邪なことを考えながら、ひたすらに本を読むふりをした。



(どうしよう……拝みたい……)

チラッと横目で、王子を何回目か盗み見をする。

王子様は、黙々と勉強をなさっていた。


(ふつくしい……)


時々鼻の下を確認しながら、気づかれないように王子様を堪能した。


とりあえず、この本は借りることにしよう。

私は名残惜しくも、そっと立ち上がり本を借りる手続きをしにカウンターへ向かう、はずだった。


ガタンッ

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