Memorys ‐過ぎ去りし時間‐
「「おはよー!」」

バンッと生徒会室の扉が開き元気の声が聞こえる。
気まずい雰囲気はすぐさま彼らによって壊された。

 「連れてきたよ。聖風君」

双子の後ろから入ってきたのは瀬口先輩。

 「瀬口先輩、すみません。気がきかなくて…言ってくだされば今度から坂岸さん達を連れて来ますよ」

同じ1年ってこともあるし、先輩にわざわざ手間をかけさせてしまうのは申し訳ない。

 「えっ?気にしなくていいよ」

瀬口先輩は、目を見開き手を否定の意味でぶんぶんと振る。
その姿が小動物の様に見えてしまって、思わず笑ってしまう。

周りが可愛いと言っていた意味が少しわかった気がした。

 「いえ、私は生徒会の補佐です。
  それも仕事の1つなので、遠慮など要りませんよ」

私がまっすぐに瞳をみると瀬口先輩は顔が
次第に赤く染まっていく。

一体どうしたのかと首をかしげる。

 「「渚ちゃんだけずるい!!刹那ちゃんは僕たちともお話するの!」」

急に双子が私の腰に抱きついてくる。

また、この子たちは…
そんなに人にくっつくのが好きなら別の人にくっつけばいいのに。
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