Memorys ‐過ぎ去りし時間‐
2人が去った空き教室から時間を空けて下駄箱に向かった。

下駄箱の扉を開ければバサバサと紙が落ちる。

その紙はもちろん私への恨み、妬み。

  
  『調子なんのブス』

  『いきがってんじゃねぇよクズ』

  『学校来んな』

  『早く死んじゃえよ』

靴の中にはたくさんの画鋲。
幼稚でくだらない虐めには屈しない。

「蓮花に先に帰ってもらって正解だったわ」

こんなの見られたらまた彼女にまた卑屈な顔をさせてしまうもの…

紙屑をと画鋲をゴミ箱に捨てて何事もなかったかのように靴を履く。

こんなことが明日も、明後日も、ましてはその先も続くのだから諦めた方が早い。

”しょうがない”

今日は私にも非があった。
こんなことをされるのは仕方のないこと。

そうやっていつもみたいに諦めればいい。

そうやって私は生きてきたのだから…
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