Memorys ‐過ぎ去りし時間‐
次の瞬間、双子が急に声を上げる。

 「「あーん、してる!!」」

理解できずに首を傾げる。
瀬口先輩は顔を真っ赤にして声の主に抗議した。

 「いやっ!そういうことじゃなくて!」

 「「じゃあなんだっていうのさー?」」

 「渚は案外積極的なんですね」

 「ちょっと!月葉君までそんなこと言わないでよ!」

流石にはしたなかったか…
でも口に着いちゃったのをそのまま返すよりかは良いと思ったんだけどな…

 「瀬口先輩、ごめんなさい。はしたなかったですよね…」

「えっ?いや、そんなことはないよ!僕の方こそごめん!」

顔を真っ赤にしている先輩につられるようにして私の顔まで赤くなる。
今考えるとかなり恥ずかしいことしてた…

 「「刹那ちゃん!僕たちのもあげる!!」」

そう言って双子は唐揚げを私に食べさせようとする。

 「「はい、あーん」」

なんで貴方たちも乗ってくるのよ!

 「からかわないでください!」

 「「からかってないもん!」」

もう、やだ…
双子は私が食べるまでずっとこうしているのだろうか?

もう諦め半分に口を開き彼らの唐揚げを口に運んだ。

もう、二度とこんな事しないんだからね!!
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