Memorys ‐過ぎ去りし時間‐
__瀬戸口 渚side__

 「ねぇ。海斗。刹那ちゃん寝てるんじゃない?」

 「本当だーさっきまでコクコク首揺れてたもんねー」

空斗君、海斗君の言葉に彼女の方を見た。

確かに彼女は椅子に座ったまま寝ているようで、2人の言葉に何も返さない。

きっといじめは今日もあったよね…?
この様子だとかなり疲れているようだし…
もしかしてお弁当もそうだったりするのか?

…だとしたらこのメンバーにも言った方がいいか
でもそれを当の本人は望んでいないし…

考えていれば、会長が彼女に近づき、
易々とお姫様抱っこをしてソファーに運んだ。
ソファーに寝かされるも起きる気配はない。

 「そのまま寝かせてやれ」

一連の動きがあまりにもスムーズで思わず見とれてしまう。

双子たちは彼女に寄り添うようにして小声で話す。

 「「おやすみー」」
 
 「起こさないようにしろよ。お前ら」

 「「はーい」」

仕事に戻るのかを思えば、双子はそのまま眠りについた。

この3人は本当に仲がいいようだし、何だか微笑ましい。
でも、このモヤっとした気持ちは一体何なんだろう…

考えてもすぐに答えは出なくて、手元にある仕事に意識を向けた。

   __瀬戸口 渚side END__

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