Memorys ‐過ぎ去りし時間‐

 「このブレザーどなたのですか?」

 「それ聖風君のだよ」

掛けられていたブレザーを綺麗に畳む。

これ会長のだったんだ…
汚して無さそうだけどクリーニング出した方がいいのかな?

ん?
そういえば会長の姿が見当たらないような…

 「聖風は理事長室に居ますよ」

 「理事長室ですか?」

 「転入生の件で呼び出しが掛かったみたいですよ」

 「明後日だもんね。1年生に1人加わるの」

 「こんな時期にですか?」

 「引越し業者とのトラブルでこの時期になってしまったとのことですよ」

 「そうなんですか」

生徒会って思ったよりも仕事があって忙しいのね…

 「「うぅ~」」

声と共にギュッと手を握られる。
どうやら双子が目を覚ましたようだ。

 「おはようございます」

 「「おはよ~」」

私が声をかけると柔らかく返事を返す。
2人は伸びをしてから私に笑いかける。

それを同時に生徒会室の扉が開き会長が帰ってきた。
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