Memorys ‐過ぎ去りし時間‐
「何か変更はありましたか?」
「あぁ、生徒会に入れることになった」
「えぇっ!急だね」
「資料を見れば納得するだろうよ」
資料を副会長に渡して会長は自分の椅子に腰掛ける。
興味がないのでその資料には目を向けず、解放されたので仕事に戻る。
「会計が1人不足しているのでそこに入れますか?」
「あぁそれでいい。渚よろしく頼むな」
「了解」
「明後日の8時、校門で迎えを用意しとけと言われた。お前が行け」
「私、ですか?」
急に私に振られた話しに一瞬肩をビクつかせた。
私が行くの?
「時間に遅れるなよ」
「…はい」
拒否権はないみたいね…
午前中は授業受けるつもりだったのにな
まぁ仕事だからしょうがないか…
「どこに案内すればいいのでしょうか?」
「職員室でいい。職員室側には理事長がもう言ってあるそうだ」
「分かりました」
じゃあ、私はこの転入生を職員室に案内すればいいと言うことね。
「会長、ブレザーありがとうございました。クリーニングしてお返ししますね」
「いや、そのままでいい」
「…わかりました」
会長本人がいいって言うのならそれに従っておこう。
ブレザーを返し、席に戻る。
転入生が来るのは明後日だし流石に資料を見ておかないといけないわよね…
副会長から資料を受け取りざっと目を通す。
「この名前…」
「一条さん、どうかしたの?」
「いえ、なんでもないです」
この名前が頭の片隅に引っかかる。
どこかで聞いたことがあるようだけれどはっきりとは思い出せなかった。