Memorys ‐過ぎ去りし時間‐
体育はバスケだった。

体育館は男女ネットで分けられる。
男子は楽しそうにバスケをしていた。
それに比べれ女子は考えてることが汚いのが目に見えて分かる。

もちろんターゲットは私。

 「一条さん。人数足りないから入ってよ」

 「指怪我してるので遠慮します」

これも貴方たちが仕込んだことなんでしょう?

だったら私だってそれを利用させてもらうまでだ。
黙っているだけだと思わないでいただきたい。

 「入れって言ってんだよ」

 「だから」

 「ごちゃごちゃ言ってんじゃねーよ」

グイっと腕を引っ張られコートに連れ出される。

今、先生と目が合ったのに逸らされた…
まぁ最初から当てに何てしてなかったけどさ。

先生だって人間だ。
面倒事は避けたいんだろう。

それを分かっているから期待なんてしない。


面倒くさいな。
こんなことになるんだったら生徒会室で仕事していた方がましだった。

狙われるのが分かっているなら防ぎようがあるけど、それにも限界がある。
この人数相手じゃ分が悪るすぎる。

その証拠に私の体には無数の痣ができていたのだ。

私をマークをするふりをしての肘で私の腹部を打ち。
わざわざ強く押し出されたボール。
足を引っかけるようなものまであった。

 「おい、あれヤバくね?」

 「女子こえー」

男子の声が微かに聞こえる。
そんなこと言っていても笑っているんだから腹が立つ。

 「いいざまぁ~」

 「かわいそー」

クスクスと耳障りの笑い声。

ウザイ・・
自分一人じゃ何も出来ないくせに。
何かしくじったら他人に押し付けるくせに。
なんでこんな汚い奴らに言いたい放題言われなきゃいけないのよ。
< 53 / 67 >

この作品をシェア

pagetop