Memorys ‐過ぎ去りし時間‐
教室に戻れば、鞄はまた悲惨な状態になっていた。
ひっくり返されゴミ箱へ。
中身がないと辺りを見渡せば、クラスメイトの視線が刺した先は窓の外。
まさかと思って見てみれば下には教科書等が落ちていた。

ここは2階である程度高さがある。
もし下に人が居たら危ないのに平気でこんなことをするだなんて…

 「…ありえないわ」

人としてどうかと思う。

怒りをぶつけない様に空の鞄を持って教室を出る。

地面に散らばった教科書を回収し、お弁当を拾い上げる。

 「勿体ないことしちゃったな…」

こんなの食べられない。

下の片づけをして、生徒会室に向かう。
時計を見れば結構時間が経ってしまっていた。

 「急がなきゃ」

またあの双子が騒ぐ前に…
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