Memorys ‐過ぎ去りし時間‐
「「おっそーい!!」」
入るなり、双子に叫ばれる。
既にスタンバイしていたようで扉を開けた瞬間に抱きつかれた。
…やっぱりこうなったじゃないか
「すみません。遅くなりました」
「一条さんお弁当は?」
「今日はないんです。お腹もすいてないですし。待っていてくださったのにすみません」
待たせてしまったのに本当に申し訳ない。
でも、連絡先知らないんだもの…
連絡しようがないわ。
「せつな、だめ」
「少しくらい食べなければ身体に悪いですよ」
「…では、購買で買ってくるので皆さんは先に食べていてください」
踵を返して教室から出ようとすれば、
足に痛みが走り一瞬動きを止めた。
さっきから違和感はあったものの痛みはなかったのに…
「一条さん。こちらに来ていただけますか?」
隠す様に歩き出すものの副会長に呼び止められる。
「…急にどうしたんですか?」
「早く」
「…はい」
黒いオーラが増える前に渋々言葉に従った。
副会長の傍に行くとソファーに座るよう促される。
「ちょっと失礼しますよ」