Memorys ‐過ぎ去りし時間‐
私の返事を待たずに右足を持たれる。

 「えっ⁉」

 「ちょっ!?月葉君?」

 「「変~態」」


そのままハイソックスを下げられ、
腫れあがった足首が晒される。

きっと原因はトイレでもめた時。

副会長は気にせず私の足に触れる。

 「いっ..痛...」

触れた瞬間ズキンと痛みが走り私は思わず声を上げた。

 「やはり、腫れていますね」

 「それどうした」

私が痛みに耐えていると会長が声を掛けてくる。

 「階段でこけた挙句、挫いたんです」

 「お前、また…」

 「何のことでしょうか?」

いつの間にか救急箱を持ってきていた副会長に再び足を持たれる。

 「自分で出来ますから」

 「貴方、そのままにするでしょ。大人しくしてなさい」

 「でも!」

 「大人しくしてないと突きますよ」

おっかない…
この人なら本当にやり兼ねない…

 「………大人しくします」

見た目が痛々しい。
こんなの気づかないふりしていた方が痛くなかったんじゃ…
< 66 / 67 >

この作品をシェア

pagetop