Memorys ‐過ぎ去りし時間‐

 「では、新生徒会のメンバーを紹介に移ります」

 「書記は今回2人います。1-C、坂岸空斗、坂岸海斗(サカギシ ソラト / カイト)」

 「「はーい」」

名前を呼ばれた2人は元気な返事した。
ステージ袖に居たのか2人はパタパタと小走りでステージ中央に移る。

 「えーっと、坂岸 空斗です!」

 「僕は、坂岸 海斗です!!ちなみに弟の方です」

2人は双子だった。
容姿がそっくりなことから一卵性だと分かる。
身長も小さく幼い子供のようだった。

…あれ本当に高校生なのかしら?
あまりにも幼く見える。

2人はニコッと顔を見合わせてから、

 「「選んでくれてありがと!これから頑張るね!」」

そう声を合わせて言うと勢いよく頭を下げた。
 
 「続いて、会計。お願いします」

そう言われて一歩前に出たのは、緊張してガチガチに固まっている男子生徒。
ふっと息を吐き、前を向いた。

 「前回に引き続き会計を担当させて頂きます。
  2年の瀬口 渚(セグチ ナギサ)です。よろしくお願いします」

声が震え弱々しい印象。
でも、そこがいいのか女子生徒が小声で口々に”可愛い”だのと言っていた。
あの美形集団の中に居るからか、その顔は整っているものの平凡に見える。

 「続いて、副会長は私、和晞 月葉(ワカワ ツキハ)が引き継ぎます」

さっきの眼鏡はやっぱり副会長だった。
制服をきっちりと着こなし、黒縁眼鏡をかけている。

 「最後に会長。お願いします」

 「会長、2年の桜木聖風(サクラギ ミカゼ)だ」

…やっぱりあの性格悪いのが会長
朝らかあんな人に絡まれるとか、今日学校来なきゃよかったな。

そろそろ抜け出しても不自然じゃないか…
腕時計を見ながらふと思いそっと列から外れる。

 「以上で新生徒会紹介を終わりにします。続いて会長から一言お願いします」

 「昨年度の経験を活かし、生徒会には補佐が必要だと感じた。
  そこで今回は補佐を設けようと思う」
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