幸せになる!! 前編
「おい!!」

茜里の父親が振り向いた瞬間、凛月は茜里の父親を投げ飛ばした。

「何、泣いてんだよ!
茜里が死んだのはてめぇのせいじゃねぇか!!」

「りつ、止めて!」

後ろから、友梨が凛月を抱きしめて、止めに入った。

「なんで止めるんだよ!
アイツ…アイツのせいで…」

「りつまで、クズにならなくていい」

きっぱりと、だけれど、静かな口調で、友梨は言った。

友梨もまた、茜里からの手紙で、全てを知っていたが、自分を失わず、暴走する凛月を止めた。


帰り道、

「…なあ」

凛月は、隣を歩いている友梨に、声を掛けた。

「さっき、俺までクズにならなくていいと言ってくれたけど、俺も同じだよ」

その言葉に、弾かれたように、凛月を見た。

「なんで?りつは違うよ!」

友梨は凛月を庇うが、凛月は頭を横に振った。
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