幸せになる!! 前編
ファミリーレストランに着くと、2人は、やけ食いとばかりに、たくさん注文し、テーブルの上は2人が注文したものでいっぱいになった。

あまりの量に、

「粋香ちゃん、俺も払うよ」

凛月が、粋香に耳打ちした。

「あ、大丈夫!
わたし、中学の時、家庭の事情とやらで特別にアルバイトを許可してもらって、3年間、部活もせず、がむしゃらに働いてたから」

粋香は笑う。

「そ、そ。
うち、親、いないからさ」

ハンバーグを頬張りながら、純生が言う。

「マジ?
じゃ、光熱費やら学費やらで、金、すげぇいるんじゃね?」

「そういうのは、お父さんが送ってくれるの。
わたしは…まぁ、親がいないのをいい事に働いてるって言うか…」

俯きながら、粋香は言う。
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