幸せになる!! 前編
放課後、純生と夏菜子のカバンを持ち、凛月は純生たちの自宅の前をウロウロしていた。

昨日、大変な時に逃げ出してしまい、後ろめたいのだ。

「変質者か!」

2階の窓から、夏菜子が突っ込む。

「昨日の事なら気にしなくていいから、さっさと入っておいでー?」

夏菜子の言葉に、少し気持ちが楽になり、凛月は家の中に入った。

家の中には、夏菜子と粋香だけで、純生は買い出しに行ったようだ。
粋香は、リビングのソファに座りながら、ぼんやりとテレビを見ていた。

「落ち着いたかと思えば、取り乱すの繰り返しで、今日、かかりつけの病院へ行って来たんだけど、時間が経ち、自然に傷が癒えるのを待つしかないって」

「昨日みたいに取り乱しても、何も出来ないの?」

凛月の言葉に、夏菜子は頭を横に振る。
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