君が好きなんだ。
安心してほしくて、笑顔をつくって見せたのだけれど、須田くんは余計表情を固くしてしまった。
私は初めてこれ以上須田くんのそばにいたくないと思った。今にも泣いてしまいそうだったから。

「わ、私もう大丈夫だから。だから、もう行っていいよ？」

あのときと同じように隅によって公園の出口へと向かう道をあけた。顔はあげれなかった。

「…嘘じゃないんだ…」

あの時のように私の前を通りすぎない。須田くんの足は私の目の前で止まった。

「嘘なんかついてない。…ホントのことしか言ってない」

須田くんの足元から視線をあげると真っ直ぐな瞳と合った。

「ホントの、こと…？」

「沢村が好きだ」

真っ直ぐな視線と真っ直ぐな言葉に呼吸が止まった。なのに震えは止まらない。

「…好き…？わ、私、が…？」

「あぁ、沢村が好きだ」

止須田くんは手を伸ばして私の手を包みこんだ。それでも止まらない震え。

「…か、かの、じょ、は…？」

１年前、私は『彼女がいる』と言われフラレたのだ。

「…いないよ。もうずっと前から…」

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