君が好きなんだ。
「笑ってる顔も、怒ってる顔も、全部愛しいって思った。そばにいればいるほど、好きだって。…でも沢村は普通に接してたから、もうオレのこと、好きでもなんでもないんだろうなって。それに、今さら好きになりました、なんて言えるわけないだろ、そんな勝手なこと…」

苦しそうに息を吐き出す須田くん。私は片手を須田くんの頬に伸ばした。

「私、はずっと好きだったよ、須田くんのこと、告白する前も告白した後も、ずっと、ずっと…」

私の手に頬ずりするような仕草をした須田くんはイタズラをしたように笑った。

「知ってる。言っただろ?金曜日に気持ちを確認した、って」

そういえば、斉藤くんにそんなことを言っていた。だけど私にはそんな覚えは一切ない。

「金曜日、松原と飲んでただろ?いつもの居酒屋で」

「そうだけど…なんで知ってるの?」

須田くんの頬から手を離し頭の中を整理する。確かに金曜日は凛と飲みに行って、須田くんへの『好き』を熱弁していたけれ、ど…。

「えっ?…も、もしかして…?」

「はい、隣のスペースで飲んでました。沢村の真後ろでね」

嘘でしょーーー!?
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