君が好きなんだ。
「いえ、オレは沢村さんと「いいね!」…」

斉藤くんの言葉を遮るように反対側からの声。

「最近みんなで呑みいったりとかしてないよな。部のみんなで飲み会、いいんじゃね?なっ、沢村」

「う、うん、そ、そうだよね。いいよね」

須田くんの提案に感謝しながら何度も頷く。

「斉藤、お前幹事な?」

斉藤くんは一瞬眉をひそめ、不機嫌そうな顔をしたが、先輩には逆らうつもりはないのかすぐに表情をもどし、

「わかりました。皆さんの都合聞いときます」

「よろしく」

須田くんも笑顔で答える。間の私はまだ顔をひきつらせていると言うのに。

「沢村さん」

「はい?」

「また誘いますね」

斉藤くんはそういって自分のデスクに戻っていった。

疲れた…。

大きくため息をはくと隣から視線を感じた。

「あぁ、須田くん、ありがとうね…」

「いや、別に…」

視線を反らしてパソコンに向かう須田くんに

「ありがとう、やっぱり優しいね…」

小さく呟いた私の声は須田くんに届かなかった。
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