可愛げのない彼女と爽やかな彼氏
仲間
仕事に明け暮れる日々が始まった
私は宮本くんと清水さんと、海外事業部のデスクで働いている
海外事業部全員が、韓国企業との交渉にあたり、清水さんは海外事業部のメンバーと一緒に韓国へ出張したり、私と宮本くんは、マーケティング部から渡されたリストを元に、交渉を続けた
だが、当たり前だろうがなかなかいい返事をしてくれる企業はいなかった
忙しくしている中でも、度々私は三浦常務に呼ばれることもあったが、皆川部長がうまくはぐらかしてくれていた
そんな中
「なんとか、K貿易の親会社のKカンパニーと交渉出来ないかな?」
相川くんがふとそんなことを言った
Kカンパニーとは、韓国の大手総合商社で日本で言うF社と同レベルの会社だ
「でも、以前プレゼンで負けて、S商事と業務提携したんじゃないですか?」
相川くんの後輩、同じ第1課の麻生くんが相川くんに問いかける
S商事とはF社とはライバル会社の総合商社
「そうなんだが、それが最後の最後でKカンパニーが契約を渋っているらしい」
「は?なんでですか?」
「噂なんだけど、Kカンパニーは本当はF社と業務提携したかったそうなんだ」
「マジですか?それ。じゃなんでS商事と?プレゼンの時点では、うちは圧勝だったって聞きましたけど」
「それが何故か、うちは負けてS商事が勝った」
「それって、もしかして……」
麻生くんの言葉に相川くんが頷く
「三浦常務が何か絡んでる可能性がある」
相川くんがそう言うと、席を外していた皆川部長が戻ってきた
「神崎係長、相川。ちょっと来てくれ」
部長に呼ばれた2人は、打ち合わせ室に入って行った
「あの3人がこっそり話す時は、なんか企んでる時なんですよ」
麻生くんが、私と宮本くんに教えてくれた
「そう言えば、何で皆川部長は相川さんを秘書にしたんですか?俺が見る限り、神崎係長も相当仕事出来ますよね?」
宮本くんがそう聞くと、麻生くんがやっぱりそう思う?と苦笑した
「俺もそれが気になって、神崎係長に聞いたことがあるんだ『相川さんの方が年下で、係長も仕事出来るのに、何とも思わないんですか?』って」
「聞いたんですか!?本人に?それで、神崎係長なんて?」
麻生くんは肩を竦めて言った
「神崎係長もちょっとは思うところもあったらしいけど、最後は『俺は皆川部長に賭けてるから』ってさ」
「賭けてる?」
「そう。後は教えてくれなかったけど」
麻生くんと宮本くんの会話を聞いていたが、出掛ける時間になったので、支度をし始めた
それを見た宮本くんも支度を始めた
「進藤係長、出掛けますか?」
「うん。宮本くん、無理して私に付き合うことないのよ?私は1人でもいいんだから」
「ダメです。係長を絶対1人にするなって、皆川部長、木崎課長、相川さんに口を酸っぱくして言われてますから」
「過保護すぎない?」
「全然!」
そう言い切る宮本くんにちょっと吹き出して、行きましょうかと一緒に部屋を出た
その途中、打ち合わせ室に目をやると、ガラス越しに3人が真剣な顔をして話し合っているのが見えた
「何、話してるんですかね?」
「さあ、何だろうね?」
「本当に何か企んでるんでしょうか?」
「いずれ分かるわよ。さ、行きましょう」
私は宮本くんを促して、会社を後にした
私は宮本くんと清水さんと、海外事業部のデスクで働いている
海外事業部全員が、韓国企業との交渉にあたり、清水さんは海外事業部のメンバーと一緒に韓国へ出張したり、私と宮本くんは、マーケティング部から渡されたリストを元に、交渉を続けた
だが、当たり前だろうがなかなかいい返事をしてくれる企業はいなかった
忙しくしている中でも、度々私は三浦常務に呼ばれることもあったが、皆川部長がうまくはぐらかしてくれていた
そんな中
「なんとか、K貿易の親会社のKカンパニーと交渉出来ないかな?」
相川くんがふとそんなことを言った
Kカンパニーとは、韓国の大手総合商社で日本で言うF社と同レベルの会社だ
「でも、以前プレゼンで負けて、S商事と業務提携したんじゃないですか?」
相川くんの後輩、同じ第1課の麻生くんが相川くんに問いかける
S商事とはF社とはライバル会社の総合商社
「そうなんだが、それが最後の最後でKカンパニーが契約を渋っているらしい」
「は?なんでですか?」
「噂なんだけど、Kカンパニーは本当はF社と業務提携したかったそうなんだ」
「マジですか?それ。じゃなんでS商事と?プレゼンの時点では、うちは圧勝だったって聞きましたけど」
「それが何故か、うちは負けてS商事が勝った」
「それって、もしかして……」
麻生くんの言葉に相川くんが頷く
「三浦常務が何か絡んでる可能性がある」
相川くんがそう言うと、席を外していた皆川部長が戻ってきた
「神崎係長、相川。ちょっと来てくれ」
部長に呼ばれた2人は、打ち合わせ室に入って行った
「あの3人がこっそり話す時は、なんか企んでる時なんですよ」
麻生くんが、私と宮本くんに教えてくれた
「そう言えば、何で皆川部長は相川さんを秘書にしたんですか?俺が見る限り、神崎係長も相当仕事出来ますよね?」
宮本くんがそう聞くと、麻生くんがやっぱりそう思う?と苦笑した
「俺もそれが気になって、神崎係長に聞いたことがあるんだ『相川さんの方が年下で、係長も仕事出来るのに、何とも思わないんですか?』って」
「聞いたんですか!?本人に?それで、神崎係長なんて?」
麻生くんは肩を竦めて言った
「神崎係長もちょっとは思うところもあったらしいけど、最後は『俺は皆川部長に賭けてるから』ってさ」
「賭けてる?」
「そう。後は教えてくれなかったけど」
麻生くんと宮本くんの会話を聞いていたが、出掛ける時間になったので、支度をし始めた
それを見た宮本くんも支度を始めた
「進藤係長、出掛けますか?」
「うん。宮本くん、無理して私に付き合うことないのよ?私は1人でもいいんだから」
「ダメです。係長を絶対1人にするなって、皆川部長、木崎課長、相川さんに口を酸っぱくして言われてますから」
「過保護すぎない?」
「全然!」
そう言い切る宮本くんにちょっと吹き出して、行きましょうかと一緒に部屋を出た
その途中、打ち合わせ室に目をやると、ガラス越しに3人が真剣な顔をして話し合っているのが見えた
「何、話してるんですかね?」
「さあ、何だろうね?」
「本当に何か企んでるんでしょうか?」
「いずれ分かるわよ。さ、行きましょう」
私は宮本くんを促して、会社を後にした