可愛げのない彼女と爽やかな彼氏
嘘だ
家に帰りついて、リビングに入ると、相川くんがお風呂いれてくると言って、バスルームに行こうとしたけど、私はそれを止めた
「話が聞きたいの」
「……分かった」
相川くんは私の手を引いて、ソファーに座った
私もその隣に座る
「俺が吉田社長に呼ばれて2人で話した時に言われたんだ『進藤課長の母親をパーティーに招待してるから、案内役を頼まれてくれないか』って。いつ社長が進藤社長と奈南美さんが親子だと気づいたかは知らない。でも、進藤社長の言う通りなら、吉田社長は最近知ったんだろうね」
『あなたを産んだ事を同級生の誰にも言っていなかった』
そんなに知られたくなかったの?
私を産んだことを?
「俺は、奈南美さんのお母さんに挨拶したかった。だから社長に言ったんだ。『彼女の母親と2人で話す時間を作ってくれるなら構いません』って」
「え?だって……」
私、言ったよね?
私の家族に挨拶とか、そんなの考えなくていいって
私が思ったことが分かったのか、相川くんは苦笑して、私の頬を撫でる
「いくら奈南美さんがそう思っても、俺はちゃんとお母さんに言いたかった。『お嬢さんと結婚させて下さい』って。俺がそう言ったらお母さん、『娘に温かい家庭を作ってあげて下さい。あの子は、それを1番望んでいると思います。あの子は、寂しがりやだから』って言ってたよ」
私は耳をふさいで、首を横に振った
嘘だ嘘だ嘘だ
そんな事あの人が言う訳ない
だってあの人は私に興味なんてなかったんだから
私の事、ほったらかしにしてたんだから
そんなはずないんだから
「……嘘だぁ。そんな……」
相川くんは私の両手を手に取って、更に続けた
「奈南美さん。お母さんが何で奈南美さんにあんな態度をとるのかは分からない。でも、俺にそう言ったんだ。そして最後に、『幸せにしてあげて下さい』って頭を下げてたよ」
その後のことはよく覚えていない
ただ喚き散らして泣き叫ぶ私を、相川くんがずっと抱き締めていてくれた
「話が聞きたいの」
「……分かった」
相川くんは私の手を引いて、ソファーに座った
私もその隣に座る
「俺が吉田社長に呼ばれて2人で話した時に言われたんだ『進藤課長の母親をパーティーに招待してるから、案内役を頼まれてくれないか』って。いつ社長が進藤社長と奈南美さんが親子だと気づいたかは知らない。でも、進藤社長の言う通りなら、吉田社長は最近知ったんだろうね」
『あなたを産んだ事を同級生の誰にも言っていなかった』
そんなに知られたくなかったの?
私を産んだことを?
「俺は、奈南美さんのお母さんに挨拶したかった。だから社長に言ったんだ。『彼女の母親と2人で話す時間を作ってくれるなら構いません』って」
「え?だって……」
私、言ったよね?
私の家族に挨拶とか、そんなの考えなくていいって
私が思ったことが分かったのか、相川くんは苦笑して、私の頬を撫でる
「いくら奈南美さんがそう思っても、俺はちゃんとお母さんに言いたかった。『お嬢さんと結婚させて下さい』って。俺がそう言ったらお母さん、『娘に温かい家庭を作ってあげて下さい。あの子は、それを1番望んでいると思います。あの子は、寂しがりやだから』って言ってたよ」
私は耳をふさいで、首を横に振った
嘘だ嘘だ嘘だ
そんな事あの人が言う訳ない
だってあの人は私に興味なんてなかったんだから
私の事、ほったらかしにしてたんだから
そんなはずないんだから
「……嘘だぁ。そんな……」
相川くんは私の両手を手に取って、更に続けた
「奈南美さん。お母さんが何で奈南美さんにあんな態度をとるのかは分からない。でも、俺にそう言ったんだ。そして最後に、『幸せにしてあげて下さい』って頭を下げてたよ」
その後のことはよく覚えていない
ただ喚き散らして泣き叫ぶ私を、相川くんがずっと抱き締めていてくれた