可愛げのない彼女と爽やかな彼氏
彼の実家
部長と祥ちゃんに別れを告げ、私達は相川くんの実家へと向かった
家に着き、緊張しながら玄関に入ると、相川くんのお母さんが出迎えてくれた
「ただいま、母ちゃん」
「お帰り健次。隆介、すずちゃん、お父ちゃん達居間で待ってるよ」
それを聞いた隆介くん達は喜んで家に上がって行った
お母さんは私を見て、ニコッと笑った
どこなく笑顔が相川くんに似ている
私ははっとして、慌てて頭を下げた
「母ちゃんこの人が、進藤奈南美さん。この前も言ったけど、今一緒に住んでる」
「は、はじめまして。進藤奈南美です。これ、よかったら食べて下さい」
そう言って途中で買って来た和菓子を差し出した
お父さんが好きだと言うので、相川くんに無理矢理お店に寄ってもらったのだ
「まあまあ、気を使ってもらって、ありがとうね。健次の母です。今日は急に呼んじゃってごめんなさいね?でもお母ちゃん、奈南美ちゃんに早く会いたかったから、来てくれて嬉しい。さ、上がってちょうだい」
「うん。奈南美さん上がって。母ちゃん、父ちゃんは?」
「調理場にいるよ。あれは緊張してるね」
ははっと笑った相川くんは、私を家に上がるように促した
私はお母さんにお邪魔しますと言って、上がらせてもらった
相川くんの後を着いて行くと、そこはお店の調理場で、お父さんが仕込みをしていた
「父ちゃん、ただいま」
「おう、健次か。お帰り」
「ちょっといい?」
お父さんはコンロの火を消して、私達に振り返って、ニカッと笑った
「父ちゃん、連れてきたよ。進藤奈南美さん」
「はじめまして。進藤奈南美です」
「はじめまして。健次の父です。今日はこんな小汚ないところに来てもらってすまないね。ゆっくりしていっておくれ」
そう言って、また仕込みに戻った
「父ちゃん、今日店開けるんだろ?」
「いや、今日は大事な人が来るから開けないことにした」
「え?じゃ何で仕込み?」
「ちったぁ格好つけさせろ。俺にはこれしか取り柄がねえんだからよ」
お父さんはこっちを見ないまま後ろ頭をガシガシ掻いた
相川くんは堪えるように笑って私に耳打ちした
「父ちゃん照れてる」
「お父さん、私の為に?」
「そう。父ちゃんの料理、食べてやって」
そう言って相川くんは居間へと行ってしまった
私はお父さんの後ろ姿にペコッと頭を下げて、相川くんを追いかけた
そして、相川くんのご両親、妹夫婦と隆介くんと鈴音ちゃんと、一緒にご飯を食べた
お父さんの料理は、凄く美味しくて、私が美味しそうに食べるのを相川くんのご両親はニコニコしながら見ていた
相川くんの妹、千恵さんは相川くんの8才年下で、旦那さんの武司さんとは同級生
20才になるかならないかの時に隆介くんを妊娠して、そのまま結婚したのだそうだ
いきなり「兄ちゃん私、結婚するから。子供出来たし」と千恵さんから電話があって、相川くんは頭を抱えたらしい
千恵さんは、今日の事を頭を下げて私にお礼を言い、鈴音ちゃんが私になついているのに、心底びっくりしていた
そして最後にこう言った
「兄ちゃんの事、よろしくお願いします。私もお義姉さんが出来て嬉しいです」
そうして、千恵さん一家は先に帰って行った
もちろん、隆介くん達とまた遊ぶ約束をして
家に着き、緊張しながら玄関に入ると、相川くんのお母さんが出迎えてくれた
「ただいま、母ちゃん」
「お帰り健次。隆介、すずちゃん、お父ちゃん達居間で待ってるよ」
それを聞いた隆介くん達は喜んで家に上がって行った
お母さんは私を見て、ニコッと笑った
どこなく笑顔が相川くんに似ている
私ははっとして、慌てて頭を下げた
「母ちゃんこの人が、進藤奈南美さん。この前も言ったけど、今一緒に住んでる」
「は、はじめまして。進藤奈南美です。これ、よかったら食べて下さい」
そう言って途中で買って来た和菓子を差し出した
お父さんが好きだと言うので、相川くんに無理矢理お店に寄ってもらったのだ
「まあまあ、気を使ってもらって、ありがとうね。健次の母です。今日は急に呼んじゃってごめんなさいね?でもお母ちゃん、奈南美ちゃんに早く会いたかったから、来てくれて嬉しい。さ、上がってちょうだい」
「うん。奈南美さん上がって。母ちゃん、父ちゃんは?」
「調理場にいるよ。あれは緊張してるね」
ははっと笑った相川くんは、私を家に上がるように促した
私はお母さんにお邪魔しますと言って、上がらせてもらった
相川くんの後を着いて行くと、そこはお店の調理場で、お父さんが仕込みをしていた
「父ちゃん、ただいま」
「おう、健次か。お帰り」
「ちょっといい?」
お父さんはコンロの火を消して、私達に振り返って、ニカッと笑った
「父ちゃん、連れてきたよ。進藤奈南美さん」
「はじめまして。進藤奈南美です」
「はじめまして。健次の父です。今日はこんな小汚ないところに来てもらってすまないね。ゆっくりしていっておくれ」
そう言って、また仕込みに戻った
「父ちゃん、今日店開けるんだろ?」
「いや、今日は大事な人が来るから開けないことにした」
「え?じゃ何で仕込み?」
「ちったぁ格好つけさせろ。俺にはこれしか取り柄がねえんだからよ」
お父さんはこっちを見ないまま後ろ頭をガシガシ掻いた
相川くんは堪えるように笑って私に耳打ちした
「父ちゃん照れてる」
「お父さん、私の為に?」
「そう。父ちゃんの料理、食べてやって」
そう言って相川くんは居間へと行ってしまった
私はお父さんの後ろ姿にペコッと頭を下げて、相川くんを追いかけた
そして、相川くんのご両親、妹夫婦と隆介くんと鈴音ちゃんと、一緒にご飯を食べた
お父さんの料理は、凄く美味しくて、私が美味しそうに食べるのを相川くんのご両親はニコニコしながら見ていた
相川くんの妹、千恵さんは相川くんの8才年下で、旦那さんの武司さんとは同級生
20才になるかならないかの時に隆介くんを妊娠して、そのまま結婚したのだそうだ
いきなり「兄ちゃん私、結婚するから。子供出来たし」と千恵さんから電話があって、相川くんは頭を抱えたらしい
千恵さんは、今日の事を頭を下げて私にお礼を言い、鈴音ちゃんが私になついているのに、心底びっくりしていた
そして最後にこう言った
「兄ちゃんの事、よろしくお願いします。私もお義姉さんが出来て嬉しいです」
そうして、千恵さん一家は先に帰って行った
もちろん、隆介くん達とまた遊ぶ約束をして