可愛げのない彼女と爽やかな彼氏
番外編2 何て呼ぶの?★慎一郎視点★
今日は部下の相川の結婚式で、相川の結婚相手の進藤とうちの妻祥子は親友なので、夫婦で出席していた
「奈南ちゃん綺麗だったね〜。すっごく幸せそうだった」
「そうだね。進藤のお母さんも、本当に嬉しそうだったね」
「うん。お母さんと仲直りできて、本当に良かった」
進藤は自分の母親と長い間うまくいってなかったのだが、結婚式の直前になって和解したと聞いて、本当にホッとしたものだ
しかし……自分の部下と、自分の元彼女の結婚式に出席するとは思いもしなかった
「そう言えば、慎一郎さん?」
「ん?」
「これから奈南ちゃんのこと、なんて呼ぶの?」
「へっ?」
我ながら間抜けな声で返事をしたと思う
「何でそんなこと聞くの?祥子」
「だって、奈南ちゃんは『相川』になったのよ?慎一郎さんは相川さんのことも『相川』って呼ぶでしょ?だからどうするのかな?って思ったの」
「まあ、そうだけど、会社では旧姓で通すって言ってたから、今まで通りだと思うよ?」
「でも奈南ちゃん、子供が出来たら会社辞めるって言ってたよ?その時は?なんて呼ぶの?」
「その時は、その時に考えるよ」
「ふ〜ん」
なんだかご不満のご様子
僕はふうっと息を吐いて聞いた
「何が聞きたいの?祥子」
「別に……」
「言ってくれなきゃ分からないよ?」
祥子はそっぽを向いたままこう言った
「慎一郎さんは、奈南ちゃんと付き合ってた時、奈南ちゃんのことなんて呼んでたの?」
そんなことだろうとは思っていた
うちの妻は少々想像力が豊かで、時々暴走しがちだ
僕は祥子を優しく抱きしめた
「それ聞いてどうするの?」
「ちょっと気になっただけだもん」
「今僕が愛してるのは、祥子だよ?」
「分かってるもん」
「じゃ、気にすることないでしょ?」
「じゃ、教えてくれてもいいんじゃない?」
僕はため息をついて言った
「今と同じ。『進藤』って呼んでた」
「へっ?」
きっと祥子の想像とは違っていたんだろう
でも事実なんだからしょうがない
「付き合ってたのに?」
「うん」
「何で?」
「何でって、そんな事考えたこともなかった」
進藤と付き合ったのは、ただその時彼女がいなかったから
進藤から告白されて、その流れで付き合っただけだった
納得がいかないような顔を浮かべる祥子を抱き上げると寝室へと向かい、ベッドに寝かせた
「あの、慎一郎さん?」
「せっかく今日は祥希子を両親に預けてるんだから、僕達も楽しまない?」
「ちょっ、僕達もって?や、慎一郎さんっ」
「今頃は相川達もよろしくやってるよ」
「そんな、よろしくって……」
「もう黙って、祥子」
祥子に深くキスをして黙らせ、ゆっくりと祥子を堪能した
コトが終わって、まだ祥子が進藤のことをなんて呼ぶのか聞いてくるのでふざけてある呼び方で言ってみた
それを聞いた瞬間、妻は大爆笑した
新婚旅行から帰ってきて出社した相川夫妻に、進藤のことをなんて呼ぶかと話題になったんだと何気なく言った
「それで?部長は私のこと、なんて呼ぶんですか?」
「う〜ん……祥子と同じで『奈南ちゃん』なんてどうだ?」
進藤は大爆笑
本当に、腹を抱えて涙を流して笑っていた
相川はその日1日中僕を睨み続け、全く仕事にならなかった
「奈南ちゃん綺麗だったね〜。すっごく幸せそうだった」
「そうだね。進藤のお母さんも、本当に嬉しそうだったね」
「うん。お母さんと仲直りできて、本当に良かった」
進藤は自分の母親と長い間うまくいってなかったのだが、結婚式の直前になって和解したと聞いて、本当にホッとしたものだ
しかし……自分の部下と、自分の元彼女の結婚式に出席するとは思いもしなかった
「そう言えば、慎一郎さん?」
「ん?」
「これから奈南ちゃんのこと、なんて呼ぶの?」
「へっ?」
我ながら間抜けな声で返事をしたと思う
「何でそんなこと聞くの?祥子」
「だって、奈南ちゃんは『相川』になったのよ?慎一郎さんは相川さんのことも『相川』って呼ぶでしょ?だからどうするのかな?って思ったの」
「まあ、そうだけど、会社では旧姓で通すって言ってたから、今まで通りだと思うよ?」
「でも奈南ちゃん、子供が出来たら会社辞めるって言ってたよ?その時は?なんて呼ぶの?」
「その時は、その時に考えるよ」
「ふ〜ん」
なんだかご不満のご様子
僕はふうっと息を吐いて聞いた
「何が聞きたいの?祥子」
「別に……」
「言ってくれなきゃ分からないよ?」
祥子はそっぽを向いたままこう言った
「慎一郎さんは、奈南ちゃんと付き合ってた時、奈南ちゃんのことなんて呼んでたの?」
そんなことだろうとは思っていた
うちの妻は少々想像力が豊かで、時々暴走しがちだ
僕は祥子を優しく抱きしめた
「それ聞いてどうするの?」
「ちょっと気になっただけだもん」
「今僕が愛してるのは、祥子だよ?」
「分かってるもん」
「じゃ、気にすることないでしょ?」
「じゃ、教えてくれてもいいんじゃない?」
僕はため息をついて言った
「今と同じ。『進藤』って呼んでた」
「へっ?」
きっと祥子の想像とは違っていたんだろう
でも事実なんだからしょうがない
「付き合ってたのに?」
「うん」
「何で?」
「何でって、そんな事考えたこともなかった」
進藤と付き合ったのは、ただその時彼女がいなかったから
進藤から告白されて、その流れで付き合っただけだった
納得がいかないような顔を浮かべる祥子を抱き上げると寝室へと向かい、ベッドに寝かせた
「あの、慎一郎さん?」
「せっかく今日は祥希子を両親に預けてるんだから、僕達も楽しまない?」
「ちょっ、僕達もって?や、慎一郎さんっ」
「今頃は相川達もよろしくやってるよ」
「そんな、よろしくって……」
「もう黙って、祥子」
祥子に深くキスをして黙らせ、ゆっくりと祥子を堪能した
コトが終わって、まだ祥子が進藤のことをなんて呼ぶのか聞いてくるのでふざけてある呼び方で言ってみた
それを聞いた瞬間、妻は大爆笑した
新婚旅行から帰ってきて出社した相川夫妻に、進藤のことをなんて呼ぶかと話題になったんだと何気なく言った
「それで?部長は私のこと、なんて呼ぶんですか?」
「う〜ん……祥子と同じで『奈南ちゃん』なんてどうだ?」
進藤は大爆笑
本当に、腹を抱えて涙を流して笑っていた
相川はその日1日中僕を睨み続け、全く仕事にならなかった