可愛げのない彼女と爽やかな彼氏
それから朝食を食べた後、相川くんの車で私の家に向かった
「どうぞ、ちょっと散らかってるけど」
「おじゃまします」
私の家は1DKの賃貸マンションだ
入社してから3年目ぐらいの時に、1人暮らしを始めたときからここに住んでいる
「狭くてびっくりでしょ?」
「いいえ。でも、奈南美さんだったら、もっといい部屋に住めるんじゃないですか?」
「それも考えたことあるけど、探す時間なくて。ちょっと着替えてくるね」
着替えを持って風呂場の脱衣場に行こうとしたら、腕を掴まれた
「どこに行くんですか?」
「だから着替えに」
「ここで着替えればいいのに」
さっきも言ったが、1DKの部屋だ
ここで着替えると、相川くんの目の前で着替えることになる
「な、何言ってんの!?」
「奈南美さんの裸だって、昨日見てるのに?」
口角を上げて笑っている相川くんは、全然爽やかじゃなかった
「もう! 馬鹿!知らない!」
腕を振り切って脱衣場に向かっていると、後ろから笑い声が聞こえてきた
「馬鹿!阿呆!むっつりスケベ!腹黒相川!」
散々悪態をつきながら、脱衣場で着替えた
その声が聞こえていると分かっていたけど私の口は止まらなかった
散々言ったら後、着替えて軽く化粧をした
髪の毛は後ろで1つに結び横に流して、シュシュを着けた
脱衣場を出ると、相川くんはベッドを背もたれにして座り、スマホを眺めていた
私に気付いた相川くんは、にっこり笑う
「なんか俺、ひどい言われようでしたけど、気は済みました?」
「済んでません」
「本当に?」
「本当です」
相川くんに顔を向けず、クローゼットを開けてスーツを掛けようとしたら、ヒョイとスーツを取り上げられた
「ちょっと、何するの?」
「通勤用の服、何枚か俺の家に置いときましょう。普段着もね」
「え?」
有無も言わせない雰囲気の相川くんに素直に頷いた
相川くんはにっこり笑うとクローゼットから私の服を選んでいく
一通り選ぶとスーツケースにそれらを詰め込んだ
「じゃ、買い物行きましょうか。で、明日まで俺の家で過ごしましょう。いいですよね?」
「いいですよね?って、私が嫌って言ってもそうするんでしょ?」
「はい。もちろん」
爽やかな笑顔でにっこりする相川くんにため息をついた
「なんか、完全に相川くんのペースになってる」
「いいじゃないですか。会社じゃ奈南美さんの方が肩書きが上なんですから、プライベートの時ぐらい俺のペースで行かせて下さいよ」
「ま、いいけど。じゃプライベートの時にはぐらい敬語やめたら?」
「それはダメです」
即答した相川くんに首を傾げる
だって、昨日は……
「今、奈南美さんが考えてる事言いましょうか?」
「あっ、いや、それは……」
慌てる私を見て、ハハッと笑った相川くんは、優しく私を抱きしめた
「あなたを抱いてる時は余裕なんかなくて、敬語なんか使ってられませんでした。それに、敬語使うのも呼び捨てで呼ばないのも、ちょっとした願掛けなんです」
「願掛け?」
「はい。それが叶ったら、奈南美さんのこと呼び捨てで呼んで、敬語もやめようと思います」
「そう」
「だから、楽しみにしといて下さい」
そう言って相川くんは私に軽くキスをした
そして、買い物に出かけ、相川くんの家で日曜日まで過ごした
一緒に出勤したらいいのにと言う相川くんをなだめて、夜に家まで送ってもらった
家に帰り1人になって、ふうっと息を吐くと、なんともいえない寂しさが募って来た
「1人で居るのなんて慣れきってたはずなのにね」
そう言っていたら、相川くんからメッセージが届いた
『さっきまで一緒に居たのにもう寂しくなりました。明日会社で会えるのを楽しみにしています。お休みなさい』
相川くんも寂しく思ってくれてたんだ
私も寂くなったと、途中まで打ち込んだが全部消して打ち直した
『お休みなさい。明日、遅刻しないようにね』
と送るのが精一杯だった
「あ〜あ。本当に、私って可愛げがない女だわ」
ため息をついて、明日から仕事だと自分に言い聞かせてお風呂に入って眠った
「どうぞ、ちょっと散らかってるけど」
「おじゃまします」
私の家は1DKの賃貸マンションだ
入社してから3年目ぐらいの時に、1人暮らしを始めたときからここに住んでいる
「狭くてびっくりでしょ?」
「いいえ。でも、奈南美さんだったら、もっといい部屋に住めるんじゃないですか?」
「それも考えたことあるけど、探す時間なくて。ちょっと着替えてくるね」
着替えを持って風呂場の脱衣場に行こうとしたら、腕を掴まれた
「どこに行くんですか?」
「だから着替えに」
「ここで着替えればいいのに」
さっきも言ったが、1DKの部屋だ
ここで着替えると、相川くんの目の前で着替えることになる
「な、何言ってんの!?」
「奈南美さんの裸だって、昨日見てるのに?」
口角を上げて笑っている相川くんは、全然爽やかじゃなかった
「もう! 馬鹿!知らない!」
腕を振り切って脱衣場に向かっていると、後ろから笑い声が聞こえてきた
「馬鹿!阿呆!むっつりスケベ!腹黒相川!」
散々悪態をつきながら、脱衣場で着替えた
その声が聞こえていると分かっていたけど私の口は止まらなかった
散々言ったら後、着替えて軽く化粧をした
髪の毛は後ろで1つに結び横に流して、シュシュを着けた
脱衣場を出ると、相川くんはベッドを背もたれにして座り、スマホを眺めていた
私に気付いた相川くんは、にっこり笑う
「なんか俺、ひどい言われようでしたけど、気は済みました?」
「済んでません」
「本当に?」
「本当です」
相川くんに顔を向けず、クローゼットを開けてスーツを掛けようとしたら、ヒョイとスーツを取り上げられた
「ちょっと、何するの?」
「通勤用の服、何枚か俺の家に置いときましょう。普段着もね」
「え?」
有無も言わせない雰囲気の相川くんに素直に頷いた
相川くんはにっこり笑うとクローゼットから私の服を選んでいく
一通り選ぶとスーツケースにそれらを詰め込んだ
「じゃ、買い物行きましょうか。で、明日まで俺の家で過ごしましょう。いいですよね?」
「いいですよね?って、私が嫌って言ってもそうするんでしょ?」
「はい。もちろん」
爽やかな笑顔でにっこりする相川くんにため息をついた
「なんか、完全に相川くんのペースになってる」
「いいじゃないですか。会社じゃ奈南美さんの方が肩書きが上なんですから、プライベートの時ぐらい俺のペースで行かせて下さいよ」
「ま、いいけど。じゃプライベートの時にはぐらい敬語やめたら?」
「それはダメです」
即答した相川くんに首を傾げる
だって、昨日は……
「今、奈南美さんが考えてる事言いましょうか?」
「あっ、いや、それは……」
慌てる私を見て、ハハッと笑った相川くんは、優しく私を抱きしめた
「あなたを抱いてる時は余裕なんかなくて、敬語なんか使ってられませんでした。それに、敬語使うのも呼び捨てで呼ばないのも、ちょっとした願掛けなんです」
「願掛け?」
「はい。それが叶ったら、奈南美さんのこと呼び捨てで呼んで、敬語もやめようと思います」
「そう」
「だから、楽しみにしといて下さい」
そう言って相川くんは私に軽くキスをした
そして、買い物に出かけ、相川くんの家で日曜日まで過ごした
一緒に出勤したらいいのにと言う相川くんをなだめて、夜に家まで送ってもらった
家に帰り1人になって、ふうっと息を吐くと、なんともいえない寂しさが募って来た
「1人で居るのなんて慣れきってたはずなのにね」
そう言っていたら、相川くんからメッセージが届いた
『さっきまで一緒に居たのにもう寂しくなりました。明日会社で会えるのを楽しみにしています。お休みなさい』
相川くんも寂しく思ってくれてたんだ
私も寂くなったと、途中まで打ち込んだが全部消して打ち直した
『お休みなさい。明日、遅刻しないようにね』
と送るのが精一杯だった
「あ〜あ。本当に、私って可愛げがない女だわ」
ため息をついて、明日から仕事だと自分に言い聞かせてお風呂に入って眠った