今日から家族になりまして。
空と陽菜 〜空said〜
陽菜から思いっきり言葉をぶつけられた後、立ち尽くすしかなかった俺は、
陽菜から出てた重いオーラがどんどん減っていくのを感じ取っていた。
あ、あれ、なんだか、重い空気が薄く……
俺がそう思った直後、肩を落とし気味に陽菜はリビングから出ていった。
タンタンと小さく階段の上がる音を確認した後、父さんの再婚相手の女の人は言った。
「ふふっ、一歩前進ね♪」
笑顔を見せてそう言う女の人に、俺は「えっ?」と情けない声で反応する。
「あの子、聞いてたのね〜さっきの話。でもそれで、あなたたちのこと全部を悪く思えなくなったみたい。空くんが誠実なおかげね」
女の人は明るく振舞ってそう言う。
陽菜のために用意した紅茶を、そのままくいっとひとくち飲むと、女の人はにこっと俺に笑みを見せた。