今日から家族になりまして。



「俺さ、小学校の頃いじめられてたんだ」




「…………」




俺がそういったとたん、陽菜は少しだけ顔を上げる。




「そんでさ、まぁいろいろやられたわけで、人のこと信用できなくなっちゃったんだよね。


学校以外の外を歩いていても、みんな俺のことを傷つける敵だと思ってたよ。


テレビでさ、よくヒーローもんのアニメとか、ドラマとかやってんじゃん?


小学校の時ってあーゆーのみんな喜んで見てたんだろうけど


俺の場合子供ながらにしてあーゆーの見てるとすげー腹立ってきてさ


『自分が危ない時に都合よく現れてくれるヒーローなんているわけない!』


って思って、テレビ切ってた覚えがあるな。


俺の味方になってくれるヒーローなんて、一度も現れたことなんてないのに


みんな騙して裏切るだけなのに


『何が正義の味方だ』


『何がヒーローだ』


なんて思って、この世は嘘だらけで怖い世界だって決めつけた。


心の綺麗な良い人間なんて、存在しないんだーとか心の中でいろいろ考えて


人間不信になって、不登校になって


ずっと家に引きこもってた。」


< 77 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop