今日から家族になりまして。
「俺さ、小学校の頃いじめられてたんだ」
「…………」
俺がそういったとたん、陽菜は少しだけ顔を上げる。
「そんでさ、まぁいろいろやられたわけで、人のこと信用できなくなっちゃったんだよね。
学校以外の外を歩いていても、みんな俺のことを傷つける敵だと思ってたよ。
テレビでさ、よくヒーローもんのアニメとか、ドラマとかやってんじゃん?
小学校の時ってあーゆーのみんな喜んで見てたんだろうけど
俺の場合子供ながらにしてあーゆーの見てるとすげー腹立ってきてさ
『自分が危ない時に都合よく現れてくれるヒーローなんているわけない!』
って思って、テレビ切ってた覚えがあるな。
俺の味方になってくれるヒーローなんて、一度も現れたことなんてないのに
みんな騙して裏切るだけなのに
『何が正義の味方だ』
『何がヒーローだ』
なんて思って、この世は嘘だらけで怖い世界だって決めつけた。
心の綺麗な良い人間なんて、存在しないんだーとか心の中でいろいろ考えて
人間不信になって、不登校になって
ずっと家に引きこもってた。」