今日から家族になりまして。
「…………」
陽菜は黙ったまま。
この話だって、きっと疑ってると思う。
全てを丸々信用できるほど、陽菜の心は柔らかくはない。
かたくなに否定して、受け入れはしないだろう。
だけど、少しでも……少しだけでも、
「俺」を見てくれるきっかけになるのなら
きっと今の時間は、無駄ではない。
「今の陽菜ちゃんと一緒。だから、わかんだよ。ちょっとくらいはな」
「…………その話が本当だって証拠は……どこにもない。」
陽菜は、声を震わせて言った。
「だから、態度で示す。
どんなに拒絶されても、どんなに信用されなくても
俺は長い時間をかけて
陽菜と向き合えるように頑張る。
家族になりたい、っていう理由もあるけど
俺は「陽菜」と、一人の人間として向き合いたいんだ。」
陽菜は俺のことを見ないが、俺は胸を張ってしっかりと陽菜を見て言った。
今は伝わらなくてもいい。
いつか伝わると信じて
毎日伝え続ける。
俺は絶対、諦めない。