結論、保護欲高めの社長は甘い狼である。
そう決めていた私は、終業時間を迎えるとさっそくお店に向かうことにした。
しかし、本社を出て少し歩いたものの、急激に黒い雲が覆い始めた空を見て、ロッカーに置いてある傘を持ってきたほうがいいなと思い直す。
急いで戻ろうと踵を返したとき、バッグの中でスマホが鳴り出した。取り出してみると、ディスプレイに表示されているのは知らない番号からの着信。
誰だろうかと気にしつつ、とりあえずスマホを耳に当ててみる。
「はい、倉橋です」
『こんにちは。葛城です』
向こうから聞こえてきた名前は、なんと今まさに会いに行こうとしていた人。
驚愕して思わず足を止めた私は、目を丸くして叫ぶ。
「かっ、葛城さん!? なんで私の番号を!?」
『ごめんね、突然。昨日またケイコクに行って、君のママに聞いたら快く教えてくれたから』
なんてお節介な母! 勝手に教えないでよね……。
個人情報垂れ流しの母親に対しては、もううなだれるしかない。けど、お店に行かずして話すことができたから結果オーライか。
しかし、本社を出て少し歩いたものの、急激に黒い雲が覆い始めた空を見て、ロッカーに置いてある傘を持ってきたほうがいいなと思い直す。
急いで戻ろうと踵を返したとき、バッグの中でスマホが鳴り出した。取り出してみると、ディスプレイに表示されているのは知らない番号からの着信。
誰だろうかと気にしつつ、とりあえずスマホを耳に当ててみる。
「はい、倉橋です」
『こんにちは。葛城です』
向こうから聞こえてきた名前は、なんと今まさに会いに行こうとしていた人。
驚愕して思わず足を止めた私は、目を丸くして叫ぶ。
「かっ、葛城さん!? なんで私の番号を!?」
『ごめんね、突然。昨日またケイコクに行って、君のママに聞いたら快く教えてくれたから』
なんてお節介な母! 勝手に教えないでよね……。
個人情報垂れ流しの母親に対しては、もううなだれるしかない。けど、お店に行かずして話すことができたから結果オーライか。