結論、保護欲高めの社長は甘い狼である。
一生変わらぬ愛の証明
遊園地での一件から約一週間。怒られたり、なぜ帰ったのかを問い詰められると思い、私は社長から逃げまくっていた。
なかなか諦めてくれないため、言い訳がどんどん不自然なものになってしまっている。
一回お説教されないとダメかしら……。もっともらしい逃げた理由を考えて、納得してもらうしかないかもしれない。
追いかけっこを続けてだいぶ疲れた金曜日。早めに仕事を切り上げた私は、そのままの足で葛城さんと落ち合った。
服装はいつもより気を使った上品なパンツスタイルだけれど、眼鏡をかけ、髪を後ろでひとつに結んだ姿はやはり地味だ。
そんな私が、オシャレで美形な葛城さんの隣に並んで歩くとかなりの違和感があるだろうな、と自覚しながらやってきたのは、創作和食の居酒屋。
完全個室のテーブル席の窓からは趣のある日本庭園が見え、とても落ち着く雰囲気になっている。
今回の食事の約束を取りつけたのは私からだ。このお店は、以前課長に連れてきてもらったことがあり、じっくり話すには最適だろうと選んでみた。
和紙で作られた間接照明の柔らかな明かりに照らされるその席に向かい合って座ると、メニューを選ぶ前に葛城さんが改めて確認する。