結論、保護欲高めの社長は甘い狼である。
「あの、達樹さん……その節は、誠に申し訳ありませんでした」
「本当にな。どれだけ俺が惨めだったと思ってる」
おずおずと頭を下げた直後に返ってきた冷ややかな言葉がグサリと刺さり、うぐ、と黙り込んだ。
社長様に対してあの仕打ちは本当に悪かったと思っているし、反省もしている。言い訳だけれど、私がああしてしまった理由も話しておこう。
「葛城さんとのこともあったし、それに……達樹さんには忘れられない人がいるんでしょう? その人と私が似てるって言うから、私は代わりでしかないんだと思ったんです」
俯きがちに、ぽつりぽつりと説明した。
綾瀬さんの口ぶりからすると、私に望みはなさそうだったし、大切な人に似ているというのは達樹さん自身が言っていた。
それもあって離れようとしたというのに、次に彼の口から出たのはこんな言葉。
「それは誤解だ。確かに大切なやつはいるが……」
やっぱりいるんじゃないですか、とつっこもうとしたとき、目の前に達樹さんのスマホの画面を持ってこられる。
「この子だよ。ひまり」
ひまりさんというその女性が映っているらしき画面を、元カノの顔はあまり見たくないんですが……と、気乗りしないままチラリと見やる。
「本当にな。どれだけ俺が惨めだったと思ってる」
おずおずと頭を下げた直後に返ってきた冷ややかな言葉がグサリと刺さり、うぐ、と黙り込んだ。
社長様に対してあの仕打ちは本当に悪かったと思っているし、反省もしている。言い訳だけれど、私がああしてしまった理由も話しておこう。
「葛城さんとのこともあったし、それに……達樹さんには忘れられない人がいるんでしょう? その人と私が似てるって言うから、私は代わりでしかないんだと思ったんです」
俯きがちに、ぽつりぽつりと説明した。
綾瀬さんの口ぶりからすると、私に望みはなさそうだったし、大切な人に似ているというのは達樹さん自身が言っていた。
それもあって離れようとしたというのに、次に彼の口から出たのはこんな言葉。
「それは誤解だ。確かに大切なやつはいるが……」
やっぱりいるんじゃないですか、とつっこもうとしたとき、目の前に達樹さんのスマホの画面を持ってこられる。
「この子だよ。ひまり」
ひまりさんというその女性が映っているらしき画面を、元カノの顔はあまり見たくないんですが……と、気乗りしないままチラリと見やる。