結論、保護欲高めの社長は甘い狼である。
「あの、どうかお手柔らかに……」
「さぁどうするかな。縛るか」
「しばっ……!?」
楽しそうに、かつとっても悪そうなお顔で口角を上げる彼の、とんでもないひとことにギョッとする。
縛るだなんて、それはまさか、SMという名のプレイ? 初心者にそれってかなり酷じゃないですか!? 紫乃お姉様ー!
彼女に頼めば動画で予習させてもらえるかも、なんてアホなことを考えてひとりあたふたしていると、隣から小さく笑う声が聞こえた。
そして、彼の口調は真剣なものに変わる。
「俺は本気だ。お前がどこにも行かないように、縛って繋いでおく。これを、左の薬指につける鎖にして」
「……え?」
なにかが差し出されて振り向き、私は息を呑んだ。
達樹さんの手に持たれたものは、小さな黒い箱に納まる真っ赤な美しい薔薇。その真ん中に、ひと粒の宝石が眩いばかりにきらめいている。
実際に見たことはほとんどないのにわかる。高貴な輝きを放つそれは、ダイヤモンドだと。
「っ、これ──!?」
衝撃で、それ以上の言葉が出なかった。
“左の薬指”から連想するものはひとつしかない。この人は、私を繋ぎとめておく究極の手段があると気づいたんだ。
結婚こそ、最上級の過保護だと──。
「さぁどうするかな。縛るか」
「しばっ……!?」
楽しそうに、かつとっても悪そうなお顔で口角を上げる彼の、とんでもないひとことにギョッとする。
縛るだなんて、それはまさか、SMという名のプレイ? 初心者にそれってかなり酷じゃないですか!? 紫乃お姉様ー!
彼女に頼めば動画で予習させてもらえるかも、なんてアホなことを考えてひとりあたふたしていると、隣から小さく笑う声が聞こえた。
そして、彼の口調は真剣なものに変わる。
「俺は本気だ。お前がどこにも行かないように、縛って繋いでおく。これを、左の薬指につける鎖にして」
「……え?」
なにかが差し出されて振り向き、私は息を呑んだ。
達樹さんの手に持たれたものは、小さな黒い箱に納まる真っ赤な美しい薔薇。その真ん中に、ひと粒の宝石が眩いばかりにきらめいている。
実際に見たことはほとんどないのにわかる。高貴な輝きを放つそれは、ダイヤモンドだと。
「っ、これ──!?」
衝撃で、それ以上の言葉が出なかった。
“左の薬指”から連想するものはひとつしかない。この人は、私を繋ぎとめておく究極の手段があると気づいたんだ。
結婚こそ、最上級の過保護だと──。