結論、保護欲高めの社長は甘い狼である。
──お父さんの葬儀のとき、泣いていた私にチョコレートをくれたのは、参列者の中の、とても整った顔立ちをした男の子だった。
優しい微笑みで、『これを食べたら元気になるよ』と言ってくれた彼は、まるで王子様みたいだと感動したのを覚えている。
そのすぐあと、私は急いでお母さんを呼び、去っていく彼を指差して名前を聞いた。
『ねぇ、あの男の子は誰?』
『お父さんのお友達の息子さんよ。泉堂達樹くんっていうの』
『せんどう、たつき……』
お父さんがよく話していた男の子はあの人だったのだとわかり、その瞬間からずっと忘れることはなかった。顔の記憶はだんだんと薄れてしまっても、名前だけはしっかりインプットされていた。
でも、そんな些細なことを覚えているのは絶対私だけだと思っていたから、あえて話さなかったのに……達樹さんも覚えていたなんて。
「スイーツ効果は抜群でした。みるみる笑顔になるその子を見て、驚くと同時に思ったんです。いつかたくさんの人を、サンセリールのチョコレートで笑顔にしたいと」
優しく微笑んで語る彼をまっすぐ見つめる私の瞳に、うっすらと涙の膜が張る。
優しい微笑みで、『これを食べたら元気になるよ』と言ってくれた彼は、まるで王子様みたいだと感動したのを覚えている。
そのすぐあと、私は急いでお母さんを呼び、去っていく彼を指差して名前を聞いた。
『ねぇ、あの男の子は誰?』
『お父さんのお友達の息子さんよ。泉堂達樹くんっていうの』
『せんどう、たつき……』
お父さんがよく話していた男の子はあの人だったのだとわかり、その瞬間からずっと忘れることはなかった。顔の記憶はだんだんと薄れてしまっても、名前だけはしっかりインプットされていた。
でも、そんな些細なことを覚えているのは絶対私だけだと思っていたから、あえて話さなかったのに……達樹さんも覚えていたなんて。
「スイーツ効果は抜群でした。みるみる笑顔になるその子を見て、驚くと同時に思ったんです。いつかたくさんの人を、サンセリールのチョコレートで笑顔にしたいと」
優しく微笑んで語る彼をまっすぐ見つめる私の瞳に、うっすらと涙の膜が張る。