結論、保護欲高めの社長は甘い狼である。
そうだ……いつだったか“好きな元素ランキング”なるものを雑誌で見て、面白かったから私も個人的にランクづけして、特徴を書き出していたんだ。
そんなどうでもいいメモ書きを見られてしまっていただなんて……上下別の下着姿を見られるくらい恥ずかしい!
両手で顔を覆う私の耳に、冷静な声が入ってくる。
「倉橋さんなら、彼を十分もてなすことができるでしょう。もちろん私もフォローしますから、難しく考えないで食事と元素話を楽しんでくれるだけでいいのです」
「なるほど……私は、葛城さんのご機嫌取り要員ということですね……」
今日の魂胆をすべて理解し、うなだれつつ深く頷いた。
そうだよね、こういうことでもなければ、泉堂社長ともあろう人が私を休日に誘うだなんてことあるわけないよね。一パーセントでも期待した自分、冗談抜きで爆発してほしい。
でも、だったら最初から“接待についてきてくれ”と言ってくれればいいものを……。
軽くヘコみつつ不満を抱く私に、社長は申し訳なさそうに、けれどはっきりと言う。
「すみません、気負わせて断られることを避けるために黙っていました。どうしても、君を逃したくなかった」
そんなどうでもいいメモ書きを見られてしまっていただなんて……上下別の下着姿を見られるくらい恥ずかしい!
両手で顔を覆う私の耳に、冷静な声が入ってくる。
「倉橋さんなら、彼を十分もてなすことができるでしょう。もちろん私もフォローしますから、難しく考えないで食事と元素話を楽しんでくれるだけでいいのです」
「なるほど……私は、葛城さんのご機嫌取り要員ということですね……」
今日の魂胆をすべて理解し、うなだれつつ深く頷いた。
そうだよね、こういうことでもなければ、泉堂社長ともあろう人が私を休日に誘うだなんてことあるわけないよね。一パーセントでも期待した自分、冗談抜きで爆発してほしい。
でも、だったら最初から“接待についてきてくれ”と言ってくれればいいものを……。
軽くヘコみつつ不満を抱く私に、社長は申し訳なさそうに、けれどはっきりと言う。
「すみません、気負わせて断られることを避けるために黙っていました。どうしても、君を逃したくなかった」