彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
カウンター業務をすること三十分。
一番端だから十分店舗内を見渡せて、カウンターの中の人の動きやお客様の動向がよく見える。
売り上げの伸びない理由はこの辺にあるかもしれないと思い始めてきた。

私は接客の合間にメモを取り問題点を書きとめていく。

その間もずっと主任と店長は奥に入ったまま。

気付けば六時半を過ぎていた。夕方のこの時間、店舗は忙しいはずだけど今のところ待機人数はゼロ。


「では今日の所はこのへんで……」


主任と店長が出てきたらしい。
私はちょうど担当していたお客様を終えたところでタイミングよくカウンターを離れることが出来た。


「色々とありがとうございました。天ヶ瀬さんも、ありがとうございました」


これって、わざと?
今回もついでのように言われた言葉。
ようするに邪魔ってことですよね?店長。

だって顔はにこやかだけど目が笑ってないもん。
近づくなって表情から読み取れる。

そうは言っても私は部下だから一緒にまわっているだけで。
部下だから一緒にいられるだけ。
ただそれだけ。


あーあ
なんかテンション下がってきた


「では、失礼します」


挨拶をして主任と店の外に出る。


「休憩なしだったので、コーヒーでも飲みますか?」


コーヒーっていうか、もうお夕飯の時間ですけど。
まぁでも考えてみれば、いつも私が主任にコーヒーを入れる時間。


「はい」


主任は近くのコーヒーショップに車を止めて店内に入っていく。
その後ろについていく私。
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