彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)


「カウンターはどうでしたか?」

「はい、前回は気付かなかったんですけど……


主任の質問にさっき取ったメモを見ながら率直な感想を話していく。
自分だったらこうするなぁって思ったことばかりだけど、現場の意見って重要って言うし。


主任は頷きながら、時折眉間にシワを寄せ聞いてくれた。

すべて話し終えると主任は「やはり天ヶ瀬さんに来てもらって正解ですね」なんて微笑みながら言う。


正解?
私ならって思ったこと言っただけだけど。


「いくつか問題点は見えてましたが、その辺も改善していかないと後々伸びていきませんからね」

「はぁ」

「アルバイトが多いカウンター業務とはいえ人材育成も重要ですね」


そんな大それたこと思ってたわけじゃないけど、主任に褒めてもらえたのかな?
私が同行して少しでも貢献できてるのかな?


少しでも主任の役に立ちたい
出来れば近くで。
たとえ部下としてでもいいから……


「今日はこの後、何か予定ありますか?」


このあとって、
家に帰ってご飯食べてゲームするだけ。


「いえ、特には」

「一度事務所に戻ることになりますが朔也のとこ行きますか?」


うわー
平日の夕ご飯は久しぶり。

月イチに来るように言われていたお店には最近ランチしか行けてない。
いや、ランチに行けることもありがたいけど。それだとゆっくり味わう余裕もないから。


「はい!」

フッ

私が元気に返事をしたからか、主任は少しだけ口角を上げ微笑んだ。

そして主任はプライベート用のスマホを取り出すとメールを打ち始めた。
一度事務所に戻ってからだからお店に着くのは八時ぐらいかな?
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