彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
外に出てみれば、見覚えのある車が止まっていた。


「朔也が昨日うちにきて酔ってまた置いていきました」


そうそう、朔也さんの車。


「また主任がレストランまで運ぶんですね?」

「……ったく、人を何だと思ってるんだか」


あ、言葉遣いが少し乱暴で、お友達仕様になってる。
そんなちょっとした変化が嬉しくて


「それだけ頼りにしてるって事だと思います」

「……そうですかねぇ?」


あぁもう戻っちゃった。
やっぱり私との会話では普通の主任は見れないのかな?


「では行きますか」

「はい」


失礼しますと言って乗った朔也さんの車。
本人がいないのに二度も乗ってるっていうのが不思議な感じだけど。


あ、でもいくらなんでもまだ早いけど、どうするんだろ。


何も言わずに車を走らせる主任。
そっち、レストランとは逆ですけど
まさか主任、迷子ちゃんじゃないよね?


「おなか、すいてませんよね?」

「え?あ、はい。全然」


そう言ったきり、また無言の主任。
すいてたらどうなの?って聞きたいところだけど、主任っていつも自己完結。
聞いたところでため息つかれて結局答えてくれない。

こういう時ってみんないったいどうしてるんだろう。
恋レベルゼロの私には相変わらずわからない。
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