彼と恋のレベル上げ（10/6おまけ追加）

そして金曜日。

店舗のほうは相変わらず忙しく、しかもイブイブだからかみんなも少し浮かれているように見える。


「桃ちゃん、おはよ～」

「あ、おはようございます。望亜奈さん」


うわぁ、いつもよりまつげが盛り盛り
まさか、合コン？


「今日ねー」
「合コンなんですね？」


ウフフって可愛らしく笑ってるけど、目は真剣。
どんだけ必死にクリスマスまでの追い込み合コンしてるんですかって突っ込みたくなる。

十二月入ってから私は仕事を理由に片っ端から断ってたけど、望亜奈さん全部消化したらしい。
ここまでくると合コンで相手を探してるって言うよりももはや趣味に近い気がする。


「桃ちゃん、クリスマスはどうするの？」

「家帰りますよー。家族と一緒に過ごしますから」

「えー恋人とディナーとか行かないとっ」


その言葉そっくりそのまま望亜奈さんにお返ししますけど？


「いいんですっ」


そう言った瞬間ソソって寄ってきて「主任と一緒に過ごせばいいのに」なんて耳元で言うから


「なっ、何っ言っちゃってんですかっ」


そんなこと、できるはずないってわかってる。
だから余計に悲しくなるだけで。

主任は大切な人と過ごすの。
きっと。


「さーて仕事してこよっと」


言いたいことだけ言って望亜奈さんはさっさとロッカールームから出て行った。
せっかく考えないように、してたのに、な。


今日の主任は直行で夕方戻りの予定。
今日ぐらい主任だって残業したくないよね？