彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
コーヒーを飲み終えてそろそろ帰る時間。

おいしかったし、ほんと大満足。

思いがけず朔也さんのお店のクリスマスディナーを堪能できたから。


「そろそろ帰るか」

「うん。ごめんね。なんか私だけ飲んじゃって」

「あぁ気にすんな。明日浴びるほど飲むから」


ん?明日?
浴びるほど飲むの?
どこで?


「あの、明日どこか行くの?」

「ん?桃ん家。おばさんに呼ばれてるけど?」

「へ?そうなの?」

「クリスマスパーティーするから是非来てくださいって。くるやつは酒を一本ずつ持ってこい言われてるけど?」

「なにそれっ」

「だから明日、桃ん家で―――」
「それは今聞いたけど、私は聞いてないっ!」

「何か問題あんの?」


片眉だけ上げて怪訝そうに聞いてくる潤兄。


いや、ないけど
でも聞いてないし

伯母さんたちも来るなら、プレゼントとかちゃんと用意したかった。


「ないけど……」


あ。
そうだ。
朔也さんに相談したら何かあるかな?


私はスタッフの方を呼んで朔也さんに伝言をお願いした。

しばらくしてスタッフさんが戻ってきて、帰りにお渡しするそうですと言ってくれた。

ずうずうしいお願いしちゃったけど、何か用意してくれたみたいで良かった。

これで明日おばさんたちがきても大丈夫。


帰るときに朔也さんがやってきて、紙袋を渡してくれた。


「これは俺から桃華ちゃんにクリスマスプレゼントね」


耳元でそう言ってさらにウインクまで。
ただで頂くわけにはいかなくて、お金をって言ったら「男に恥かかせないの」って言われた。


突然お願いしたのに、プレゼントなんて申し訳ない。


「アイツ連れて来てくれたらそれでいいから」


って、また言われた。


念押しってやつ?
そんなにも主任のこと心配なんだよね?朔也さん。
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