彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
それから潤兄に家まで送ってもらった。

玄関で出迎えてくれたお母さんは潤兄に


「明日は夕方に来てね。ご馳走作って待ってるわ」


って言ってた。



……頑張って作ってね、お母さん。




     *****


翌日の夕方、伯母さんと潤兄は持ちきれないほどの荷物持参でやってきた。
お酒とケーキと、あとその大きな箱は何?

そうだ、私も昨日朔也さんに頂いたのも開けてみないと。
たぶん、ワインとかだと思うんだけど……

一度部屋に戻り袋を開けてみると、なにやら一枚のメッセージカード付き。



===============

これなら桃華ちゃんも飲めると思うよ
飲んだ後はもう一本の方も忘れずに
素敵なクリスマスを

            朔也
===============



ちょっと重いと思っていた袋から出てきたのはリボンが可愛らしく巻かれたボトルと、ミネラルウォーター。


「そっか、あの時の」


中から出てきたミネラルウォーターは私が酔った時に主任が渡してくれたものだった。

あの時はほんと恥ずかしくて情けなくて……
主任はあの後からお酒を飲む私にいつも注意するようになった。

あとで朔也さんに過保護って言われてたけど、そう主任はいつだって保護者的な立場って感じで。
だから私は少しでも大人になりたくて、ちょっとでもお酒を飲めるようになりたいなんて思いはじめたんだ。


朔也さんもこれならって言ってくれてるし
酔っても家だし
これもあるから大丈夫


もう一度ミネラルウォーターを見つめてそっと机に戻すと私はワインのボトルを持ってみんなのいるリビングに向かった。
< 207 / 439 >

この作品をシェア

pagetop