彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
*****
「楽しかったねぇ」
「ん」
「潤にぃ、ありがとね」
「何が?」
「なんか、サンタさん待ってた子供の頃の気持ち少しだけ思い出した」
「なんだよ、それ」
「なんていうか……そう、クリスマスはやっぱり家族と過ごせてよかったなぁって」
「…よかったな」
「うん」
私は段々とくれていく窓からの風景を見ながらその言葉をかみ締めていた。
『元来クリスマスは家族と過ごすものです』
今年は週末にあたったこともあって漠然と実家に帰ろうかなんて考えてた。
でも主任のその言葉があったから私は……
「それに、サンタさんに大きなプレゼントまでもらっちゃったしね」
私は後部座席に置かれている大きな箱を振り返って見て言った。
「…よかったな」
少し目を細めて、もう一度そう言った潤兄。
家に来る時、持っているのを思いっきり玄関で見せておいて。
今日の朝ツリーの下に「桃華ちゃんへ」って書いたカードと一緒に置かれてた。
「サンタさんかららしいわよ?」ってお母さんが笑って言ったけど、そんなことないのはわかってる。
中から出てきたのはお鍋のセットとお料理のレシピ本。
『凛子の娘の桃華ちゃんが料理ができないなんてことは絶対ないから』
サンタさんからのメッセージ付きで。
やっぱりこれは、料理できるようになりなさいっていうことらしい。
子供の頃のサンタさんを信じていた純粋な心はもうないけれど、今年のサンタさんからの贈り物はこれからの私に必要なものだから。
「凛子おばさんも、桃のこと甘やかせ過ぎたんだよな」
「えーそんなことっ」
「なら桃、料理つくってみろよ」
「……」
「ま、母さんもさ、桃のこと娘のように思ってるから使ってやってよ、その鍋」
「う、うん。なるべく頑張る」
「うまく出来たら食べさせろよ?」
たぶんそれ、何年も先の話になるんじゃないかな?
でもせっかくだし、お料理教室とか近くでないか帰ったら探してみよう。
「潤にぃがそれまで待てればね?」
「気長に待ってるよ」
潤兄は笑ってそう言ってくれた。
「楽しかったねぇ」
「ん」
「潤にぃ、ありがとね」
「何が?」
「なんか、サンタさん待ってた子供の頃の気持ち少しだけ思い出した」
「なんだよ、それ」
「なんていうか……そう、クリスマスはやっぱり家族と過ごせてよかったなぁって」
「…よかったな」
「うん」
私は段々とくれていく窓からの風景を見ながらその言葉をかみ締めていた。
『元来クリスマスは家族と過ごすものです』
今年は週末にあたったこともあって漠然と実家に帰ろうかなんて考えてた。
でも主任のその言葉があったから私は……
「それに、サンタさんに大きなプレゼントまでもらっちゃったしね」
私は後部座席に置かれている大きな箱を振り返って見て言った。
「…よかったな」
少し目を細めて、もう一度そう言った潤兄。
家に来る時、持っているのを思いっきり玄関で見せておいて。
今日の朝ツリーの下に「桃華ちゃんへ」って書いたカードと一緒に置かれてた。
「サンタさんかららしいわよ?」ってお母さんが笑って言ったけど、そんなことないのはわかってる。
中から出てきたのはお鍋のセットとお料理のレシピ本。
『凛子の娘の桃華ちゃんが料理ができないなんてことは絶対ないから』
サンタさんからのメッセージ付きで。
やっぱりこれは、料理できるようになりなさいっていうことらしい。
子供の頃のサンタさんを信じていた純粋な心はもうないけれど、今年のサンタさんからの贈り物はこれからの私に必要なものだから。
「凛子おばさんも、桃のこと甘やかせ過ぎたんだよな」
「えーそんなことっ」
「なら桃、料理つくってみろよ」
「……」
「ま、母さんもさ、桃のこと娘のように思ってるから使ってやってよ、その鍋」
「う、うん。なるべく頑張る」
「うまく出来たら食べさせろよ?」
たぶんそれ、何年も先の話になるんじゃないかな?
でもせっかくだし、お料理教室とか近くでないか帰ったら探してみよう。
「潤にぃがそれまで待てればね?」
「気長に待ってるよ」
潤兄は笑ってそう言ってくれた。