彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
「ふゎあ~、…ねむ」
昨日、ゲームを終えたのは一時前。
それからラッピングしたり、どうやって渡そうかなんて考えてたりしたらいつの間にか三時で。
慌てて布団に入ったけど、そう簡単に寝れるわけはない。
だけど他の人に会わずに主任に渡すには早く出勤すればいいかもなんて思って早起きしてきた。
睡眠時間三時間。
目の下の立派な二匹のクマさん。
望亜奈さんに教えてもらったコンシーラーは上手に隠してくれるかな?
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「おはよーございます」
誰もいない事務所。
いくらなんでも早すぎか。
とりあえず営業の予定表を書き込むホワイトボードをみれば
堂地 直行直帰
う、そ。
今まで朝か帰りかどちらかは事務所に来てたのに。
出張じゃないのに直行直帰って。
確認しなかった私も悪い。いや、でも明日は会社来ますか?って聞くのもおかしいし。
昨日もきっと遅くまでやったんだろうけど。
着替えないまま自分の席に行くと机の上に書類が乗せられていた。
付箋には主任の文字で「よろしくお願いします」ってメッセージ付き。
仕事ですからやりますけどね?
……なんかテンションだだ下がり。
どうやって渡そうなんて考えなくても。会えないんだから渡せるわけがない。
買ったチョコならデスクにおいておいてもいいんだろうけど、私のは溶けちゃうかもしれない。
意味なし。
二週間頑張ったのってなんだったんだろ。
どのぐらいそうしてたんだろう。
周りから音が聞こえだしてきて、少しずつ他の社員が出社してきたのがわかった。
いつも早出の営業さんに「今日は早いね」なんて言われて、PCも立ち上げてないのに「仕事が残ってて」なんて言い訳してた。
主任が今日、ここに来ないのは決定事項。
仕事なんだから仕方がない。
私は着替えるためにロッカーに向かい、渡すことのできないチョコをそのままそこにしまった。