彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)

     *****


「で?主任とデートするんだ」


今はランチ時間。望亜奈さんにいつもの尋問され中。
いくら周りにに知ってる人がいないって言ったってあまりにも、


「ちょ、望亜奈さんっ。声、大きい」


望亜奈さんに報告できたのは約束の日が間近になったある日。

忙しい時期もあってランチも終わりの時間もまったく一緒になることがなくて。
やっと今日たまたま一緒にランチが来れた。


「ごめんごめん、だってそうでしょう?」


自分でもそう思っちゃったけど、デートでいいのかな?

日中はほんとに忙しいから考えなくてすむんだけど、家に帰れば考えないように寝る直前までゲームにログインしてた。
疲れてるし、なんかするってわけでもないけどとりあえずチャットだけって感じだけど。

そうやって、いつでも結局逃げ込むのはゲームの世界。


「そうです、けど」

「とうとう運命の日なのかな?」


運命の日ってなんかすごく大げさじゃないですか?
そんなタイソウなものじゃない気がするんですけど?


「聞いてると、主任も桃ちゃんで楽しんでる部分あるみたいだし」


私で、楽しんでる?
おもちゃじゃないんですけど?私。


「そっかー主任と桃ちゃんがねー。デートかぁ。あんなことやこんなことするんだろうなぁ」


どんなことですかっ
だいたい妄想力すご過ぎです、望亜奈さんっ


「あんなことなんてしません!」

「わかんないわよー主任だってああ見えて男なんだし、ねー」


男、じゃなくて正しくは保護者です。
いつだって私の事、子ども扱いだし。


「もうっいいです。望亜奈さんに相談しようと思ったのが間違いでしたっ」


結局茶化されてランチ時間おしまいになるなんて。
もしも、もしもデートだとしたら、立ち回りとか、なんていうか色っぽい展開とかっ。そういうの教えて欲しかったのに。


「いやーだってさー。桃ちゃんいつの間にか主任とそんな仲になってるんだもん」

「だからっそんな仲って。そういうんじゃないんですってばっ」

「……はいはい。もう、そういうことにしておいてあげる」


違うのに。
だからそうじゃなくて、色っぽい展開をね。
どうしたらなるのかっていうことを教えて欲しいだけなんです。


結局、報告だけで終わったランチ時間。
望亜奈さんに言ったことで、主任と出掛けるんだーってさらに実感。

ホワイトデーまではあと二日。
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