彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
潤兄からのメールでまたまた自宅待機を命じられて。
仕事で遅くなるなら無理しなくてもいいのに……


「桃。悪い、遅くなった」

「おつかれさまー」

「飯、食った?」


ご飯の約束だったけど、仕事終わらないからって先に食べてろって言ったのは潤兄。
むしろ日にち変えてくれても良かったんですけど。


「あぁうん、ごめんね、」

「こんな時間じゃケーキやもあいてないしなぁ」

「今日じゃなくても―――」
「ホワイトデーどんどん過ぎるだろ」


潤兄のおかげでチョコ作るって話になったし。
手作りチョコも主任に渡せたし。
そのお返しも明日してもらえるし。


「別に気にしなくていいのに」

「は?!」


あれ?なんか今の会話で潤兄を怒らせるようなことした?
片眉上がって不機嫌モード手前。


「とりあえず、飯付き合え」


食べましたけど?
こういう言い方するときはNOは認めないっていうね。


十二時には寝たいんですけど。
お風呂にも一時間入りたいんですけど。
明日の準備だってしたいんですけどおおおお。


「どこがあいてるかな」

「アースならケーキもあるだろ」


ケーキあるけど。
もう九時過ぎですよ?
そんな時間からケーキとか……


「ケーキはちょっと、もうおなかいっぱいっていうか」

「ま、食わなくてもいいけど」


ファミレスでさくっとでいいんじゃないの?潤兄。
とは言えずに、


「じゃ、いこっか」


少しでも早く行けば早く帰れるよね?
潤兄を追い立てて玄関まで行き、車のキーをつかんで外に出た。

金曜だからって飲む気満々で徒歩できたでしょう?
チラッと潤兄を見てから、ため息をついて玄関の鍵を閉めた。
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