彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
海を一望できる絶景のロケーションに位置するレストランフロア。魚介類のメニューが中心らしい。
魚を見に来て魚食べちゃうってどうなの?って突っ込みはしちゃダメ、だよね?


「さっきのおいしそうなのも、ありましたか?」


あいかわらずそんな意地悪を言う主任にさっきの寂しそうな表情は全く見えなくて。
もしかしたら見間違い?なんて思ってしまう。

一瞬だったけど、あれは見間違いなんかじゃない。
でも今はそんな様子は全然なかったかのように楽しそうにしている。


そう、楽しそうにしてくれている、のかもしれない。


楽しそうにしてくれているのだから、私も暗い顔をするわけにはいかない。
たとえ主任がそんな風に装ってくれているとしても。


レストランで軽くお腹を満たしてからヒトデが触れるというタッチプールへ。
ギャーギャー騒ぎながらもなんとかつまかえたヒトデ。
だってまさかあんな感触だなんて思っても見なかった。


屋外にある磯を使ったタッチプールは現在冬季閉鎖中。
夏になれば裸足でそこにいる生物に触れるらしい。
確かにまだ寒いから裸足はちょっとね。


「残念ですね。今度は夏に来ましょう」


さらっと夏にもまたなんて言った主任。
社交辞令、社交辞令。
って自分に言い聞かせる。そうじゃないと、期待しちゃうから。


たった数時間なのに、今までよりもずっと身近に感じた主任。
前よりももっと主任の事沢山知りたいと思った。
そんな欲張りになってる自分にちょっとあきれちゃう。


またここに一緒に来られたら、とか。
この先の約束もできたら、とか。

寝不足だから?
今日の私の思考回路、やっぱりちょっとおかしいのかもしれない。
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